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グローバル保育

保育現場は多様化している

保育現場は多様化しています。
日本では、どちらか一方の親が外国人である子どもの割合は増え続けています。その子どもを預け、日本社会で働く親がたくさんいます。
私たち研究グループでは、こうした親がどのような状況に置かれているのかに着目し、2021年度から外国出身保護者を対象とした研究を開始しました。
研究結果からは、特に日本語の読み書きが十分にできない保護者は、保育園でとても困っていることがわかってきました。そして、親を取り巻く保育所の先生、その他の保護者が困っている様子もわかってきました。

まずは理解しよう!
外国出身保護者はこんなことに困っています

外国出身保護者が困難を感じているのは、自己責任ではありません。
在留外国人の数は増え続けています。少なくともどちらか一方の親が外国人である割合は3.1%に達しています。法務省は、外国人の幼児について、円滑な義務教育につなげるために幼稚園や保育所への入園を促進するとしています。外国出身保護者への対応力向上は、もはや一部の保育園の課題ではなくなってきています。
多くの外国出身保護者が日本社会の構成員として生活している中で、私たちは今、何をすべきなのでしょうか。

日本語が分からない。少し日本語が話せても、読み書きはとても難しいです。保育園の書類はどれが重要なのか見分けられません。
コミュニケーションの不安。保育園での子どもの様子を知りたいのに、外国人だとあまり話しかけてくれないと感じます。先生に負担があると思い声を上げにくいです。
文化の違い。保育園で毎年行われる行事が何なのか、なぜ行うのか理解できません。日本人にとっては当たり前かもしれませんが、出身国の考え方と違うので、驚くこともあります。

困りごとを解決するための3つの提案

外国人だけの話なんでしょうか?いえ、日本のためになるんです。
子どもは人種を問わず、日本の宝です。日本以外のルールをもつ家族とのかかわりは、未来を生きる子どもたちが多様な人々とともに生きる意識と力を高めてくれます。
将来は日本以外にルーツを持つ多くの子どもたちが日本の住民、市民になると言われています。社会全体で、これからの保育を考えてみませんか?

日本語が分からない。提出物に見出しをつける。重要なものにマークをつける。配布物・情報を電子化(PDF化)する。
コミュニケーションの不安。日本語でゆっくり話しかける。ジェスチャーを使う。自動翻訳機・翻訳アプリを使う。
文化の違い。行事について簡単に英訳する。調べるきっかけを提供する。年間行事表にローマ字を併記する

京都市の保育園が急速にグローバル化ー京都新聞に掲載されました
(2022年11月17日)

京都市の保育園が急速にグローバル化(京都新聞記事)

共同研究者

【アドバイザー】

綾仁 信貴(あやに のぶたか) 
京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学

https://researchmap.jp/nayani

【メンバー】

松本 佳大(まつもと よしひろ) 
京都府立大学医学系研究科

https://researchmap.jp/y-matsumoto

朴 沙羅(ぱく さら) 
ヘルシンキ大学文学部/特定非営利活動法人社会理論・動態研究所

https://researchmap.jp/sa420ra

平塚 幸子(ひらつか さちこ) 
大谷大学教育学部

https://www.otani.ac.jp/kyouin/sfpjr7000000c2m4.html

伊藤(大塚) 弘子(いとう ひろこ) 
京都橘大学看護学部

https://researchmap.jp/h_ito

市川 徳子(いちかわ のりこ) 
京都先端科学大学

https://researchmap.jp/noriko.ichikawa

阿部 素子(あべ もとこ) 
社会福祉法人朱い実保育園